本物の「SAKE」体験
海外を訪れたらその土地ならではのお酒が飲みたい。
ドイツならビール、中国なら紹興酒というように
日本と言えば日本酒ですよね。
日本酒は海外でも注目を集めています。
毎年、全国利き酒選手権大会やミス日本酒
といったイベントも開催されているとあって、
最近は訪日旅行者にも人気があるようです。
あなたも居酒屋で日本酒を嗜む
外国人を見かけたことがあるのではないでしょうか。
私も時折、外国人のお客様と
お酒を飲みに行く機会があり、
彼(彼女)らはワインやウイスキーよりも
日本酒を好む傾向があります。
果たして日本酒は今後も訪日旅行者を虜にするのでしょうか?
その辺りを探っていきたいと思います。
1.日本酒のイロハ
はじめに、日本酒を語る上で
知っておきたい日本酒の基礎をいくつか紹介します。
そもそも日本酒は米と麹で醸造した
もろみをこして得た澄んだ酒のことで清酒と呼ばれます。
原料や製法が一定の基準を満たす特定名称酒は、・本醸造酒
・特別本醸造酒
・純米酒
・特別純米酒
・吟醸酒
・純米吟醸酒
・大吟醸酒
・純米大吟醸酒と細かく分類されていて、
これら8種類が特別名称とされているのです。
もちろん、日本酒マニアでもない
ごく一般的な訪日旅行者に、
そこまで詳しい説明は必要ないかもしれません。
でも、こうした基礎的なことを知っておかないと、
味や香りについて上手に解説できないのです。
2.基礎知識の重要性
これは他のお酒についても同じことが言えます。
例えば、私がウイスキーの銘柄について語るとき、
それがスコッチなのかバーボンなのか、
シングルモルトかブレンディットか、
といった具合に、基本的な情報を知っていなければ、
主観的な意見に偏ってしまいます。
外国人と会話をしていると、
なぜ?という問いかけがやたら多いように、
彼(彼女)らは理由を求めたがります。
自分自身が飲んだ感想は当然必要ですが、
やはり客観的な情報も与えてあげなければ、
本当の意味で日本酒の良さを伝えるのは難しいでしょう。
3.お酒と健康
日本酒のイロハを知ったところで、
今度は日本酒と和食の絶妙なツーショットについてお伝えします。
日本酒を飲む際に相性の良い食事は、
低カロリー、高タンパク、
そして豊富なビタミンが含まれているものです。
タンパク質には胃壁を保護したり、
飲酒による肝臓のダメージを修復する働きがあります。
また、ビタミンはアセトアルデヒドの
分解を手助けするので酔いにくくする効果があります。
そう考えると、
居酒屋のメニューで定番の枝豆や冷奴、
焼き魚などが日本酒に合うのも納得がいきますよね。
さらに言えば、
甘口のお酒にチーズや味噌漬けなどの発酵食品、
辛口のお酒いかの塩辛といったように
それぞれの日本酒に適した料理も日本酒の良さを引き立てることができます。
4.海外へ情報発信
ではどのようにして訪日旅行者に日本酒をアピールしているのでしょうか?
実を言うと、海外には「JOY OF SAKE」という
最大の利き酒イベントがあるのです。
これは毎年、日米の複数の都市で開催されていて、
数多くの来場者が日本酒に酔いしれているというリポートがあります。
また2015年度の全米日本酒歓表会では
391もの銘柄が出品されました。
タイムリーな話題では、東京の浅草六区にオープンした
商業施設「まるごとにっぽん」の食品館「まるごとにっぽん蔵」では
東京でも流通量の少ない約300種の日本酒を購入することが可能です。
さらにローカルな場所では、
東京の深川にある折原商店も言わずと知れた日本酒を嗜めるお店です。
5.日本酒のビジネスチャンス
このように日本酒をテーマに
日本の食文化が海外に発信される時代なのです。
あなたが訪日旅行者をターゲットにビジネスを始めるとき、
日本酒を販売することに限らず、
利き酒ツアーや酒蔵体験といったサービスが
あなたのビジネスとして成立するのです。
日本酒は訪日旅行者を取り込む条件を十分に満たしていると言えます。